かがみの孤城


物語のテーマとしてはとても共感できるのに、エンタメとしての謎解き部分に既視感があったり納得感がなかったりで、その残念感が良い部分を上回らなかったなぁ、という印象が残った作品でした。
特に、集められた子供たちの関係性の謎が明らかになったときに「いや、何ヶ月も過ごしてそれに気づかないとかあり得ないでしょ」と思ってしまい、そこで作品を楽しもうという気持ちがグッとトーンダウンしてしまったように思います。もしかしたら原作にはそこをうまく理由付けする描写があるのかも知れませんが、映画の方は伏線を張る描写が逆に「気づかない不自然さ」を助長しているようにも思えました。
ただ、そう思ってしまったのは、私が中学生時代のモノの考え方や人との接し方を忘れてしまっているだけ、という可能性もあります。今のリアルな中学生同士がどこまで踏み込み、どこに壁を作るのか、自分が理解できていないのかも知れませんね。
そういった意味では、この作品を届ける相手は様々な悩みを抱えた登場人物たちと同年代の子供たちであり、その子たちが本作を見て、何か前に進む勇気(撤退する勇気)をもってくれたらいいと思うし、作品自体はその力も持っていると思います。

親としては、そういった子供たちに信頼される努力をしないといけないなぁ、と思わされました。