アイカツ! 10th Story ~未来へのStarway~
こんなに明るく、力強く送り出してもらえるなんて、アイカツ!ファンの人は何て幸せなんだろう。
フレンズ!から入った私にとって、初代アイカツ!は後から全話視聴した作品であり、かつ、正直そこまで大きな思い入れがある訳でもありません。
それでも、これまでを肯定し、これからにエールを送るソレイユ3人の言葉は本当に胸に響きました。
展開としてはキャラ総出演のお祭りみたいなのはオンパレ!でやっちゃったというのもあり、本編後から卒業までを描くのかと思いきや、まさかの22歳!?というのにびっくりしました。
しかも、そこをクライマックス後の後日談として描くのではなく、本編の中心に据えて時間の流れの方をひっくり返すとは、これ考えた人天才ですね。
時間の流れというのはSHINING LINE*でもあり、アイカツ!でそこを変えてもいい、と判断するのって、勇気がいったんじゃないかと思うんですよ。それに多分、ターゲット層が低いと、この流れを理解するのってちょっと難しいと思います。
でも今回、当時アイカツ!が好きで、今20歳を超えた人、超えようとしている人に向けた作品にすると割り切ったことにより、大胆な構成にできたし、それがクライマックスのライブから最後までを綺麗につなぐことに繋がって、全体としてすごく活きているんですよね。
あと、普通は物語のテーマを登場人物の口から語らせるのは悪手なんだけど、この作品に関しては、ソレイユの3人が言葉にするから意味がある。だから、そこにたっぷり時間をかけているのも良かったです。
詰め込め過ぎず、間を空けず、緩急のバランスが良くて、ポイントもきちんと押さえられている。良質なコンテンツを生み出すためにはターゲットを絞ることが重要、という原則を改めて実感した作品でした。
蛇足
ユリカ様はバラエティ番組とかで人気で仕事が途切れているわけじゃないけど、本人はもっと歌を歌いたいと思っていて、ギャップに悩んだりしてるのかな、と想像しました。で、こういうのをあくまでカラッとライトに見せてきたのがTVシリーズなんだけど、リアルな世界とはやっぱりギャップがあって、そこを今回、ターゲットに合わせて描き方を変えて見せてくれたことが逆に、TVシリーズにそこまで思い入れを持てなかった自分に刺さったような気がします。
全然違うんだけど、ちょっと「きまぐれオレンジ☆ロード あの日にかえりたい」を思い出しました。